年度別実績Performance
第23回
雪舟国際美術協会展
「第23回 雪舟国際美術協会展」では、水墨画や日本画、書作品まで183名の個性豊かな入選作品を展示。さらに今回は、東北芸術工科大学日本画科の学生6名も出展し、次世代を担う若者たちの作品を展観しました。
作品1点1点をしっかり鑑賞できるゆったりとした展示は、まさに当協会が掲げる“個性を重視する自由な会風”の文字通り、今回も十人十色の高いレベルの書画が集結。「作品に込められたイマジネーションや心情が多種多様に表現されていて、大変楽しかった」という嬉しいご意見もありました。学生展示については、「学生の作品が展示されていることで、日本画、水墨画、書などに若い人も関心があることがわかった」「学生を応援している姿勢に好感が持てる」などといったお褒めの言葉をいただけました。
また、毎年名古屋からこの展覧会を観に来ている方や会期中に3回も来場された方もいらっしゃり、改めて本展を応援して下さっていることに気がつきました。「自分が行ったことのある景色を描いている作品があり、嬉しかった」など、出展者だけでなく、来場者の思い出にも残る展覧会になったようです。
「美術屋・百兵衛」2016年秋 No.39 岩手特集
岩手文化と舟越芸術 2016年10月15日(土)発売 定価:定価500円(税込) 宮沢賢治、舟越保武、萬鉄五郎……文学、彫刻、絵画などと様々な分野で、今なお多くの人々に影響を与え続けている芸術家たち。彼らを育んだのは岩手県です。 今号の「美術屋・百兵衛」ではそんな岩手を特集。舟越保武の息子であり、個性的な人体彫刻で知られる舟越桂のインタビューの他、生誕120年を迎えた宮沢賢治、20世紀初頭の洋画界で先駆者的な役割を果たした萬鉄五郎や、晩年を花巻で過ごした彫刻家・高村光太郎など、岩手ゆかりの芸術家たちの作品世界とその人生に迫る記事は必読。 また、今年初開催の茨城県北芸術祭、岡山芸術交流をはじめ、毎年恒例の六甲ミーツ・アートや、全国各地のビエンナーレ、トリエンナーレなどのイベントも紹介します!「美術屋・百兵衛」を片手に、芸術の秋を探しに出かけてみませんか?
雪舟国際美術協会特別展
~書画への架け橋~
個性を重視する自由な会風の書画団体として1993年に発足した、雪舟国際美術協会。その特別展が、「2016年 雪舟国際美術協会特別展 〜書画への架け橋〜」と題して開催されました。
来場者の人気を集めていたのが、「雪舟書画塾」と題したワークショップとギャラリートーク。ワークショップでは、勘亭流の文字を書いたり、団扇に水墨画を描いたりするなど、幅広い内容のカリキュラムがおこなわれました。参加者たちは、大人も子どもも真剣そのもの。外国人旅行者が書道に挑戦するなど、海外の方にも書画の魅力を発信することができたようです。ギャラリートークでは、自身の作品に対する想いや技法などについて出展者が来場者へ熱く語りました。作家の制作に対する生の声は、作品をより深く理解するための手助けとなったでしょう。出展者への質問が飛び出したり、作家と鑑賞者の距離が近づいた貴重な時間となりました。中には、その日のギャラリートークを全て参加される方もいらっしゃいました。これらは、一般の方々に書画芸術の奥深さを伝える「架け橋」になったと言えるでしょう。
優れた書画作品を紹介するとともに、ワークショップやギャラリートークを通して芸術の楽しみ方や創作の喜びを多くの方々へ知っていただけた今展。アートへの入口を目指している東京都美術館の活動に対しても少し役立てたのではないかと自負しております。
「美術屋・百兵衛」2016年夏 No.38 沖縄特集
沖縄芸術×石川竜一 2016年7月15日(水)発売 定価:定価500円(税込) 日本で唯一、亜熱帯地域に属し、一年を通して温暖な気候に恵まれた沖縄県。青く広がる海は、色鮮やかな熱帯魚やサンゴ礁などが息づく生き物たちの宝庫。そして沖縄本島北部や離島に残る森林では、国内外でもめずらしい動植物や昆虫が生息しています。また、鮮やかに咲き誇る花や緑豊かな樹木からは、華やかな印象と力強い生命力を感じることでしょう。 そんな沖縄は独特な伝統文化が今も人々の生活に根付き、同時に新たなアートが生まれる場所でもあります。今号の「美術屋・百兵衛」では沖縄県を特集。今、話題の石川竜一をはじめ、幾多の写真家を輩出してきた沖縄。様々な観点からその秘密を探ります。 紅型、琉球グラス、琉球漆器……豪華絢爛たる沖縄の伝統工芸からは、壺屋のやちむんをピックアップ。ぜひ「美術屋・百兵衛」No.38 で沖縄のアートについて知ってください。
第21回
オアシス 2016
2016年に第21回展を迎えたOASISは既存の公募展などとも一線を画した、いわば個展の見本市のような芸術祭。画廊が取扱い作品を展示するスタイルではなく、芸術家の個人参加型のアートフェアとして開催されました。
1996年以来、多くのアーティストが作品を通して人々に美術の素晴らしさを発信し、アートを通した交流を図る舞台となったOASIS。今展の会場も第1回展から続いて使用されている、京橋のOBPツイン21アトリウムです。人々が自然に集まる作品発表の舞台として格好のロケーションが、出展者にとって多くの出会いが生まれる有意義な場所となったことでしょう。会場では老若男女が参加できるワークショップなどのイベントも開かれ、出展者と来場者が一緒にアートを楽しんでいました。それが、「社会と美術界の架け橋」でもあるOASISの役割でもあります。
オアシス2016の会場に足を運ぶことができなかった、世界各国の美術ファンにその様子を届けること、またアーティストたちの多種多様な作品とその活動を伝えることを目的に、会場の中央に舞台を設けて“USTREAM”(ユーストリーム:インターネットを使って動画を共有したり、映像が配信したりできるサービス)を使った中継を行いました。平面絵画や彫刻など、様々なジャンルの作品を手がけるアーティストたちが制作を始めるようになったきっかけや、作品に対する思いなどを会場内のスタジオから伝えることで、会場内でもインターネット上でも大きな盛り上がりを見せていたようです。来場者や視聴者たちは、普段は聞けない芸術家たちの生の声を聞くことができ、出展者たちにとっても制作に対する新しい刺激となったことでしょう。
「美術屋・百兵衛」2016年春 No.37 茨城特集
いばらき、大観ゆかりの地 2016年4月27日(水)発売 定価:定価500円(税込) 穏やかな陽気に、つい出かけたくなるこの季節、今号の「美術屋・百兵衛」でスポットを当てるのは、茨城県の芸術や文化です。岡倉天心が“東洋のバルビゾン”を夢見た五浦(北茨城市)。そのゆかりの地にある「茨城県天心記念五浦美術館」。そして、美術だけでなく音楽や演劇等も楽しめる総合複合文化施設「水戸芸術館」やそのシンボルである100 メートルの塔、茨城ゆかりの画家を中心に多くの作品をコレクションする「茨城県近代美術館」。また、春らしい雰囲気が満喫できる、水戸黄門ゆかりの自然豊かな「偕楽園」などを取り上げました。 さらに、地元が育んだ画家たちを紹介するなど、茨城から目が離せません。「アートフェア東京」や話題の「現美新幹線」といった注目のアートトピックスを取り上げるなど、茨城はもちろん、全国の旬のアート情報が満載の一冊です。 ※裏表紙の記載について、下記の誤りがありました。 【誤】答えは p.086 【正】答えは p.034 読者、並びに関係者の皆様には深くお詫び申し上げます。
KIX GALLERY
関西国際空港 飛翔展 2016
現在日本全国で活躍中のアーティストによる展覧会「関西国際空港 アンデパンダン展 2016」。サブタイトルは会場である「関西国際空港」に因んで、「飛翔」と付けられました。主催者である「関西国際空港アンデパンダン展 2016 〜飛翔〜」実行委員会の依頼によって一堂に会した64点の秀作は、関西国際空港を行き交う多くの人々の足を止めるほど注目の的。空港で見事な美術作品を観られることに驚く人や、通りすがりの人が作品に興味を持ち、改めて一点一点じっくり鑑賞する姿もありました。
また、日本の文化を知ろうと訪れた外国人旅行客たちが熱心に作品を鑑賞しており、印象的でした。様々な国籍、目的を持つ人が集まる「空港」という場所。KIX GALLERYを舞台におこなわれたこの展覧会は、様々なジャンルのバラエティに富んだ作品によって人の心を癒し、アートの魅力だけではなく、日本という国の魅力をも伝える機会となったことでしょう。
Art Maison International Vol.20
20年の萬謝を込めて、この一冊をお届けします 琳派誕生から400 年を迎えたとされるこの2015 年は、国内各地で琳派に関する展覧会が開かれました。 1615(元和元)年は、琳派の祖とされる本阿弥光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領し、光悦村という芸術村を開いた年。日本美術の中でも特にデザイン性の高い琳派は「派」という言葉が付くものの、連綿と師弟関係が続くいわゆる「流派」ではなく、自らが憧れた先人の作品をモティーフとして学び、そこに自分なりの解釈を加え、新しいものを生み出す美術運動です。俵屋宗達に私淑した尾形光琳も、その光琳を尊敬して止まない酒井抱一も、それぞれ100年という時を超えてその精神を伝えました 1996年に創刊され、今号で記念すべき20号目を迎える本書。過去20年間に、クオリティとオリジナリティともに優れた多くの日本人芸術家を紹介してきました。国際美術書籍「Art Maison International」の創刊時も今も変わらぬ役割は、そんな彼らの作品を海外に住む多くの美術ファンの目に触れさせることです。 現代日本の美術を知るための最良の一冊、「Art Maison International」Vol.20。伝統を重んじつつ、美術の世界に新しい一歩を標そうとする素晴らしい日本人芸術家たちの作品を、ぜひご堪能ください。(巻頭挨拶より抜粋) 特集:クリスチャン・ビエ追悼特集/アートメゾン20 周年スペシャル・プロジェクト 他 ◆監 修:ペドロ・フランシスコ・ガルシア ◆装 丁:B4大判サイズ/ハードカバー ◆言 語:全編英文和文併記 ◆価 格:8,000円(税別) ◆発行日:2016年3月31日 初版発行
雪舟国際美術協会 特別海外展 イスタンブールとの出会い
展覧会場は、重要文化財に指定されたイスタンブール市水源記念館に併設される美術館。屋内は24もの展示室が連なり、約50 mの奥行きがあります。市の中心地・タクシム広場に面した入口には、幅10 mの巨大看板を設置。広場を行き交う人々の注目を集めていました。
トルコの人々は日本の文化に対し非常に関心が強く、作品を一点一点じっくりと鑑賞する姿が印象的で、会場の滞在時間も長かったようです。アンケート用紙には、「本当に素晴らしい展覧会だ」「日本美術の水準は非常に高い」という声が多く見られました。日本語を専攻する現地大学生や日本人留学生が来場し、日本が好きな若者が多いことも実感。過去に助け合った歴史のある両国、改めてトルコは親日国であると感じた展覧会でした。
第10回
モナコ・日本芸術祭 2016
今年で10回目を迎えた「モナコ・日本芸術祭」。早春のモナコを彩るアートイベントとして現地でもその存在は知れ渡っており、モナコおよび近郊に住む多くの美術ファンが、その開催を心待ちにしていたようです。例年以上に多くの人々が間断なく会場に詰めかけ、めったに観ることのできない現代日本の美術作品を熱心に鑑賞している人々の姿が目立った本展。また、出展作家資料として会場に備えられたPRファイル(ポートフォリオ)や現代日本人芸術家の作品を集めた美術書籍「Art Maison International」を手にする方も大勢いらっしゃいました。
また、会期2日目の2月13日(土)午後5時からは、テアトル・デ・ヴァリエテで舞台部門の公演がおこなわれました。最初に登壇したのは、欧米など海外公演の経験も多い邦楽グループ『青木畝堂と四方の会』。尺八、琴がそれぞれ表に出るパートや、唄が入る曲、静かなメロディーの曲などバラエティに富んだ演奏に、観客は聴き入っていたようです。舞踊劇「ジャポネスク今昔~ニッポン薩摩の民俗芸能の変遷~」を上演した『夢飛行プロジェクト』も、数々の海外公演を果たしてきた劇団。歌舞伎に神事や日本舞踊、さらにJ-POPのダンスショーなどを取り混ぜた構成は、まさに伝統から現代までの日本を表現していました。また、今回はモナコ・オーエリオヴィジュアル・アーカイブの協力により、この日20時30分より是枝裕和監督の日本映画「海街diary」が上演されました。『花で巡るモナコ公国実行委員会』は、レニエ3世オーディトリアムで2日目に抹茶席を設け、3日目にプリザーブドフラワーのワークショップを実施。会場に日本らしさを振りまきました。
国内外の美術展や美術書への作品発表
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