出版実績publication achievements
Art Maison InternationalVol.22
アートに「忖度」は必要ありません。 日本には、その年1年間に生まれた「言葉」の中から世相を映し、人々の話題に上った新語・流行語を選び、その「言葉」に関わった人物や団体を顕彰する「新語・流行語大賞」という賞があります。これを書いている時点(2017年11月)ではまだ結果が出ておりませんが、2017年の「新語・流行語大賞」の最有力候補は“忖度”ではないでしょうか。 本来“忖度”の「忖」「度」も「はかる」を表わす字。つまり“忖度”とは「他人の心中を推し量る」ことに過ぎないのですが、21世紀になって、どうやらそこに「配慮する」ことがプラスされたようです。 さて、美術作品を鑑賞する際に“忖度”は必要でしょうか。その作者の意図がどこにあり、何を表現したかったのか……それを探り、より深く作品を鑑賞するためにアーティストの心中を推し量る本来の意味での“忖度”は必要なのかもしれません。しかし、美術の専門家の解説が唯一の答えだと信じ込んで自分もそれに合わせようと配慮するような悪い意味での“忖度”は不要です。 現代日本の美術を知るための最良の一冊、『Art Maison International』Vol.22 には、様々なジャンルの優れた美術作品が掲載されています。そしてそれらに、正しい鑑賞方法などは存在しません。この本を開いた方ひとりひとりが観るまま、感じるままに捉え、その人なりの楽しみ方をすれば良いのです。誰にも余計な“忖度”などすることなく、あなただけのお気に入りの一点を見つけてください。(巻頭挨拶より抜粋) 特集:2017-2018 A.M.S.C.プロジェクト “ARTE de JAPÓN”/台日藝術博覧会特集 他 ◆監 修:ペドロ・フランシスコ・ガルシア ◆装 丁:B4大判サイズ/ハードカバー ◆言 語:全編英文和文併記 ◆価 格:8,000円(税別) ◆発行日:2018年3月31日 初版発行